練習について
 
 
 
マジオ金管教本 L.マジオ著
僕のバイブル(?)です。非常に優秀な内容の本だと思いますが、どう言う訳か廃版になっています。しかも二十年くらい!
但し、あくまで発音・奏法についてのみ書かれた本です。その概念を身体で理解するまで続けてみるといいでしょう。
内容は、非常にシステマチックで合理的。トランペット、フレンチホルン、トロンボーン(テューバ)が一編に練習できるようになっています。なので、吹奏楽部員などにも取り組みやすいモノと思われます。
また特徴的な「鼻の下に当てて唇まで滑らせてセッティングする」と何度も書かれていますが・・・コレは僕はやってませんし、勧めていません。廃版になっちゃったのも、このセッティング方法が受け入れられなかったからかなぁ?とも思います。
この方法が良いか悪いかはココでの議論は避けたいと思います。ただ少なくとも、件の方法を行わなくても、十分過ぎるほどの練習対効果を得られることだけは実証させることが出来ます。
ペダルトーン(音域外の低い音)を中心に組み立てられていて、単純に高音域だけではなく、各々のヴォカリーズに強い意志と意味が在ります。
全面的にマジオを支持しているわけでは断じてありませんが、ハイトーンやエンデュランス(耐久力)に悩む多くのプレイヤーの助けになることは間違いないと断言できます。
 
 
●WarmingUp+Studies ジェームス・スタンプ著
コレも非常に合理的な本です。各々の項目に詳しい説明はありませんが、何度も吹いている内に段々と理解できるでしょう。リラックスして楽に音を出すことが出来るようになると思います。
内容は、やはりペダルトーンを非常に重視しています。マジオ教本を、さらに合理的に押し進めたモノだ、と言っても過言ではないでしょう。
特徴的な記号などもありますが、「ヴェンディング」が多く取り入れられているのも特徴の一つです。
僕自身、ウォームアップ3bと言うのを毎日のウォームアップに使う事が多いです。
  
 
 
アーバン金管教本 アーバン著
言わずと知れたアーバンです。多くを語らず音符が沢山有ります。ゲンナリせずに、取り組めば必ず成果が上がると思います。三巻まであります(第三巻はピアノ伴奏)。
クラシックを演奏するための基本的なことを全て網羅しているといっても過言ではありません。
音符の量が半端ではありませんが、先ず一度、各々の項目(リップスラーなど)をムキになってやらずに、全ての項目を満遍なくやってみることをお勧めします。
多 くのプレイヤーが持っている本だと思いますが、総てを(完成させるまで)吹いたことのあるプレイヤーは極僅かだと思います。「譜読みが大変だから」と言うのが理由の大半だと 思われますが、それでも吹いてみる価値が有ります。吹いてみた結果、満足のいく演奏が得られなかったとしても、「吹いた」のと「吹かない」のでは大きな差 が有るのは歴然としています。
それを身をもって教えてくれた教則本でもあります。
一巻はロングトーンから始まってスケールやリップスラー、インターバルなど、本当に基礎的で重要な練習。
二巻は簡単なソロから始まってヴァリエーションを含む難易度の高いものまで。デュエットも、簡単なものから難易度の高いものまで。
そして二巻の最後がイントロダクション→テーマ→ヴァリエーションと言う形の最終目標とも言える「曲」が沢山出ています。
有名な「ヴェニスの謝肉祭」や「ファンタジー・ブリランテ」もココに収録されています。
 
 
リップ・フレキシビリティー チャールズ・コーリン著
ひたすら・・・ただひたすらリップスラー攻めです(笑) しかし、この本が支持され、多くのプレイヤーを育ててきている実績を見ると、やはりリップスラーは大変重要な練習だと言えます。
私見ですがリップスラーはプレイヤーの多くの力量を、ある程度見抜けるものだと思っています。
コーリンの特徴は、広い音域を使いながらのリップスラーを徹底的に重視しているところでしょうか?
ある特定の二音間だけならリップスラーは比較的容易ですが、他の音へ移行した直後に吹くと困難な場合が有ります。
コーリンは、そこに目をつけ、効果的なリップスラーの練習方法を体形づけたのではないでしょうか?
この中から音大の受験課題になる事が有ります。
 
 
テクニカル・スタディー H.L.クラーク著
フィ ンガリング中心とした練習です。が、シングル・ダブル・トリプルタンギングの練習にも好適ですし、ナチュラルな音色を作り出す練習にも好適です。ただの指 の練習の本、とだけ捉えるのは勿体ない。一生掛けても良い本だと思います。苦手なフィンガリングを見つけたら、徹底的に練習するといいでしょう。
また、唇のコンディション回復にも「僕は」役立っています。無理の無い音域を選んで確実に休息を入れながら吹くと非常に良好なコンディションを保てます。
過酷な仕事(笑)の時は特に良いと思われます。
 
 
 
●60の練習曲 コープラッシュ著
メ ロディアスなメロディーの中に、トランペットの苦手とされる様々なテクニックを盛り込んだ本です。
何番は主にインターバルに重点を置いて、何番はタンギン グに重点を置いて、と、各々に目的がハッキリしているので練習にも最適です。
この中から数曲が音大の受験課題曲にもなっています。
 
 
 
●28の練習曲 ヘリング著
コー プラッシュと主旨は似ていますが、一曲がとても長く、曲ごとに調号が増えて行って、今度は減っていきます。コレも曲ごとに目的のハッキリしている本です。
一曲が長いのでいっぺんに何度も吹くのは大変かと思います(不可能の近い?)が、練習する価値が大変高い本です。
コレも、この中から数曲が音大の受験課題曲になっています。
 
 
トランペット教本 マックス・シュロスバーグ著
扉の著者の写真が素敵なの(笑) シュロスバーグは、一見「コリャァ無理だろう・・・」とも思わせるような譜面ヅラが特徴です。
そのヴォカリーズが吹けなくても、挑戦するだけでも、それなりの効果が有ると思われます。須らく練習とは、百点を取れなくても効果はあるものなのですが・・・ね。
 
 
 
練習の仕方?
・・・コレも難しい・・・ 後からツッコミ沢山来そう(^^;
 
「どうやったら高音が出るんですか?」
「どうやったら耐久力が付くんですか?」
「どうやったら上手になれるんですか?」
 
そんなことばかり聞かれている気がしてならない(^^;
特に「単発」のクリニックや講習では、そう。受講する方も「何とかこの一回で!」って必死になっているのは分かるんですが・・・(^^;