楽器本体 篇
 
●YAMAHA YTR-8335GRS
ややこしい名称である。「U」の着いているバルブボタンがギザギザのタイプと、「U」の着いていないバルブボタンがノッペリしたタイプが有る。
後者は他にも、バルブケーシングの支柱や、ベル支柱、笠ネジ・底ネジの形状、チューニングスライド及び3rdスライド内管の切れ目の位置などが微妙に違う。

バルブケーシングの支柱は丸みを帯びて大きいタイプに。ベル支柱(マウスパイプと支え合っている支柱)は、角度が急になっている。

笠ねじ・底ネジは、Bachに似たタイプに。小さな事だが、ネジを開け閉めするときの音が「カリカリ」とした音になった。材質が固くなったのか?
3rdスライド内管の切れ目(本体側)は、短くなった。チューニングスライドの内管は数ミリ延びた。

形としては小さな違いに見えるが、個人的に「U」が外れてからのXenoシリーズには目を見張るほどの違いを感じている。良く響くような感覚、入れた息がダイレクトに振動しているような心地よさ、があり、特に気に入っているのは音の反応の良さがあげられるだろう。

特に、このモデルには、ゴールドブラスベルとは思えないほどの音の反応の良さがある。

GRSは、ゴールドブラスベル(G)・リバースチューニングスライド(R)、銀メッキ(S)の意味が有るようだ。

ベル形状は他のXenoと同形状のようだが、ヘビータイプのマウスピースレシーバーが目を引く。チューニングスライド上側外管にのみ、飾りの「リング」が付いているが何の意味があるのだろうか?

少なめの抵抗感と、相反するように重厚な音色と反応の良さを併せ持つ。

音程は特筆できるほど良く、破綻をきたさない上品な音色を持つ。完全にクラシック音楽などに求められるダークでファットな音色をターゲットにしているようだ。

クラシック、及びソロ用の楽器を探していた僕にとっては、ここ5年間の中では最も気に入った楽器。最後まで使ってやろう、と思わせてくれた楽器でも有る。

現在のクラシック用メイン楽器。
 
●YAMAHA YTR-8445GS(C管)
上記楽器と同時に購入。ゴールドブラスベルで銀メッキ。L valvebore。Bachで言うと239ベルの形か?リバースタイプの「アトリエチューン」モデルが欲しかったが在庫がなかったため、ノーマル。
コレもYTR-8335GRSと同様のタイプ。バルブボタンから「ギザギザ」が消えた(昔のカスタムに戻った?)「U」の付かないモデル。
YTR-8335GRSと同じような特徴を持つ。少な目の抵抗感と、扱いやすい音程、重厚な音色を基本に、ダークでファット、かつ上品な音色がする。
プレイヤビリティーは特筆できるものがあり、クラシックで使う限り、ソロにオーケストラに万能に使える。
現在の(当然?)クラシック用メイン楽器。
 
●Bach 180ML 37bell25pipe ラッカー(B flat)
代表的な楽器ですね。説明も無いくらいに有名。 今日のスタンダード、と言っていいかと思います。
もともと創始者のBachさんはウィーンの人で、アメリカに渡り楽器の制作を始めたようです。昔は、その辺の経緯も書いてあった大判のカタログがあったのですが・・・あれは今はないのでしょうかねぇ?中学の頃は毎日眺めては溜息ついて欲しがったものです(^^)
37bellが標準です。ソロにも良し、オケにも良し、アンサンブルにも良し。芯があって華やかな音色。Bach独特の音が魅力、でしょうか?
一本持っておいて損はないですね。
入学時に買った楽器ですが、暫くしてラッカーを全部剥がして使用。先輩たちには酷評されるものの、ティボーとエリックには絶賛される(笑)
最近、売却した個人から、買い戻す。
2004~息子のメイン楽器。

●Bach

●Bach 180MLV 72bell43pipe 銀メッキ (B flat)
ヴィンドボナ(ウィーン)・モデル。ウィントン・マルサリスが使っていたモデル。カタログによると、デュアルボアと言うことだけど、何処がデュアルボアなのかは明記されていないでした。
チューニングスライドの上側と下側のボアが違う?のかな?わかりません・・・
Bellは72です。
息もスタンダードより良く入る感じがして気に入っていました。気分だけはマルサリス(笑) 音もカタログ通り、丸みを帯びて響きわたるような独特のサウンド。円錐部分が多くコルネットに若干近い。が、当然コルネットとは根本的に違う。
ただ、当然、自分に聞こえる音は小さく聞こえるし、その太いベル(音)を鳴らし切るには結構な体力とテクニックを要求される、かな?
 
●YAMAHA YTR8335US「Xeno」(B flat)
初代Xenoを持っていました。辛うじて傘ネジと底ネジが金メッキのかかった下○○限定モデル(笑)でした。
今のXenoに比べて、とても抵抗が少なく感じました。ちょうどBachのL boreを吹いたときのよう。それが良いか悪いかは好みでしょう。
僕の「主観」ですが、音程が悪かったです。上手く言えないけど、第五倍音のが酷く低くて、口での補正の範囲を超えていたように覚えています。今のXenoなら大丈夫なんだろうけど・・・
Bachによく似た音色だったけれども、もう少し滑らかで、クリアーな感じ。裏を返せば物足りない、か?YAMAHA独特の味の無さが味(?)
この楽器は、無個性なんじゃなくて、無個性を強要されるのが個性。それが気に入れば良。
 
●Bach 180ML GB ラッカー37bell25pipe (B flat)
二年くらい使用。学生時代に使っていたBachの次に一番長く使っていた。ラッカーでゴールドブラスベルが流行っていて、それに乗じただけ。特別こだわりはなかった(笑)
ゴールドブラスベル独特の広がっていくような溶け込むような感じのサウンド、アタックが少し丸みを帯びたように聞こえるので、かえって安心して吹き込むことが出来た。
オケにアンサンブルにソロに、万能だったんじゃないかなぁ?
 
●YAMAHA 6310Z (B flat)
ボビー・シューが使ってるらしい。ライトウェイトでとても管体の厚みが薄い。と言うか、プロモデルは元々ライトウェイトだったんですよね。
昔 はヤマハはシルキーの指導の元、ライトウェイトが多く、カスタムモデルもそうだった。それが、8335辺りからBachタイプのヘビーモデルを作ってきた んだけど、かのレオナルド・シルキーが怒り心頭に達し銃を持ってアメリカのヤマハ・アトリエへなぐり込んできたというのは、今もって囁かれる噂話。
その辺の主張の無さがヤマハの最低なところ。ヨーロッパでは楽器メーカがこう囁いているとか。「ヤマハに楽器を貸すな。見た目がそっくりな、でも、音が全然違う楽器を作られちゃう。」(笑)
valvebore はM。息が若干入りにくいか?抵抗は強め。でも、サウンドはとても綺麗で、美しい。ベルは胴部分が若干太いタイプ。ただ、旧タイプのバルブを、そのまま 使っているのでスラーの音の切れは若干悪い。Xenoになってからのバルブの方がストロークが長く、スラーの音の切れは間違いなく良い。
な るほど思いっきり吹くと爆発的なサウンドが出るし、心地良い。ビッグバンド等のリードに特に良い。ただ、使い込んできてあまりにも薄っぺらい音に嫌気がさ し、真鍮製のバルブステムとバルブボタン、stomviのヘビーボトムキャップを付けた(無加工で付きます)。でも、焼け石に水か?(笑)
でも、これも僕には音程が悪く感じる。アトリエで四苦八苦して、まぁ、なんとか使えるようになった。マウスピースレシーバーのギャップ調整と、バルブガイドの調整。はぁ。。。
同じライトウェイトでも、シルキーのような「甘い」音はしない。その辺が不思議。材質に何かある、と思われるのはその辺なんだろうと思う。
「僕の主観」で言わせていただければ、ヤマハの楽器は音程のツボが狭い。そのツボがばっちり正しい音程なら良いんだけど、それがどうもシックリこないときがある。最近のは良くなってるのかなぁ?
狭いなら正しい音程で作って欲しいし、悪いなら広いツボで作って欲しい。トランペットは物理的に絶対に正しい音程は出ないのだから広いツボで作る方が王道だと思うのは僕だけ?
ジャズ・ポピュラーなどのメイン楽器。
 
●Stomvi MA B 金メッキ(B flat)
とあるリハーサルで楽器の上に椅子を倒されて、慌てて買った楽器(笑)
同じ楽器を買おうと思っていたけど、どう言う訳か気に入ってしまい衝動買い。珍しくスペイン製。握った感じが良。それだけで買ってしまったと言っても過言じゃない(^^;
ベルは純銀製のベルと真鍮製のベルが付属。ベルの真ん中辺りに大きなスクリューが付いていて、ねじ込み式で取り替えられる。
純銀ベルは独特の音がするが、意外と普通の音。空間に良くなじむような感じの音がする。
ML boreではあるが、全体に抵抗感は少な目。マウスパイプはリバースタイプ。
ベルは銅が太く独特の形状。Bach72Bellに似ているか?音も柔らかくて、喧しさがない。その割に良く通り、軽やかな音がする。間違いなく良い音。独特で、周りがBachだらけの中ではアンサンブルが大変かもしれない。一旦好きになったら手放せないかも。
 
●YAMAHA YTR800
マウスパイプや支柱の位置をカスタムした特注品(と言っても、その差は極僅か)。現在のメイン。
メインという割には気に入ってない(笑) 段々「パリパリ」と鳴るようになってきてしまい、一言で言うと鳴り過ぎ。カラッと明るく良い音なんだけど、他がBachなんかだと通りすぎでしまう感じがするし、ソロでも、「パリパリ」した感じがつきまとう。
ML boreだけど、抵抗は強め。バルブは旧型、というか、例のストロークの短いタイプが付いている。スラーの切れが若干悪いか?
音程は、どうしてもDが低い。ちょっと困ってる。
最後の足掻きで、Bellを交換予定。この辺はヤマハは便利。いくらでも手にはいるから。
 
●Stomvi MA C 金メッキ(C)
とある大阪のプロから中古で購入。傾向はMA Bと同じ。気になる音程は、D,Es,Eも全て代え指無しに演奏可能。とても音程が良い。ツボが広い?
L boreだが、forteで吹き込んだときのバランスも非常に良い。マウスパイプはB flat管がリバースだったのに対して、普通のタイプ。リバースタイプの方が音程が良い、とされるが、敢えて普通のタイプを採用したところが興味深い。
同じく純銀製のベルと真鍮製のベルが付属。
しかし、Stomviは、何故マウスピースレシーバーからバルブケーシングに支柱を立ててるんだろう?ベルの振動を邪魔しないように・・・?
 
シルキーS32C 金メッキ(C)
ティボーにそそのかされ、いい気になって買った(笑)
L boreで、リバースタイプのマウスパイプ、チューニングスライドに支柱が付いている。ベル形状は全体に滑らかでベル径が大きめ。ベルフレアも太め。シルキーらしく非常に薄い。
学生時代は殆どコレ一本だった。リート・オラトリオ研究オーケストラに所属していたので好適だった。
なんと言ってもシルキー独特のサウンド。甘く、軽く歌うような魅力を持つ。金メッキによって若干の重厚さを併せ持っている。
音程は、D,Es,Eは、代え指を使わないと使いものにならなかった。が、他の音程はとても良く、fortessimoでの音程が特に良かったのを覚えている。
ただ、如何せんライトウェイトの宿命だろうか?鳴りすぎてしまうことも多々あり。上手くコントロールできれば、やはり最高の音がする(と思う(笑))。
つい、力一杯吹いちゃうタイプなので、ソロの現代曲を演奏したときはエライ事になった(笑)
 
●Bach 180ML 239bell25Cpipe ラッカー(C)
最後のエルクハートで生産されたモデル。中古。状態は非常に良く、ミントコンディション。バルブケーシングの上半分に洋白が使われている。最近のモデルに比べて若干厚い材を使っているようだった。最近のC管に比べて明らかに楽器本体に重量がある。そこが気に入って購入。
鳴りが固く、典型的なシンフォニックサウンドが容易に出せた。239bellは229bellに比べて若干胴が太い。
が、MLboreだったせいか、抵抗感が強すぎて苦労した。
音程は典型的なBachで、D,Es,Eの代え指はもちろん、Cでさえ代え指を強要される場面もあった。でも、プレイバックを聞くと意外にまともな音程だったのが不思議。
 
●Bach 180ML GB 229bell ?pipe ラッカー(C)
ゴールドブラスベルとMLbore,229bell(若干細い)の組み合わせ。コレもエルクハート。
globalでチューニングを施された(らしい)モデルで、マウスパイプは不明ながらも非常に太いものが使われていた。MLboreではないような抵抗感の少なさが感じられる。
また、バルブステム、バブルボタンも材質が変更されていて、何かしらの影響が出ているのかもしれない。ステムは銀メッキが掛けられていて、バルブボタンは真鍮製で銀メッキの掛けられていたモノだった。
また、bellにも手が加えられていて、焼き鈍しが施されていた。非常に柔らかい金属になっている。
2004~息子のメイン楽器。
 
●YAMAHA 6445 (C)
いわゆる逆輸入モデルで、なんとBflat換え管が付属。
比較的ライトウェイトタイプ。銀メッキ・イエローブラス・L valvebore。国内モデルでは9445とかって言うモデルの相当するんじゃなかったかなぁ?
太めの胴のベルで、芯のある甘い音が特徴だった。抵抗感は少な目で、音程も良かった。周りがBachの時のアンサンブルでも特に違和感無く演奏できたように記憶している。
ヴァルブストロークが長めに改良された後のタイプなので、スラーの切れなどは問題なかった。
 
●barbank モデル名不明 (Es)
バーバンク、と読む。今も作っているかは不明。
恐らく、Bflat管のbellをそのまま流用。boreはML。チューニングスライドを思いっきり切りつめてある。独特の形状。
bellその他の部品を見ると、まるっきりベッソン。音もベッソン(笑)
独特の甘く香るようなサウンドで、ソロに好適。ただし、Es管独特の軽く歌うような音はbellのせいで出にくいか?マウスピースを小さめ、浅めにして対応。
1stがpiccで2ndでこの楽器を使うと少し太すぎるかもしれない。
音程も、特に代え指無しに演奏可能。但し、一番バルブのトリルの切れが若干甘いか?
また、ピストンフェルトを別のモノに変更。穴合わせをして貰ったら、トリルの切れも良くなった。
 
シェルツァー (picc)
珍しい、ロータリータイプのピッコロ。
管体全てにゴールドブラスが使われている。ティボーも使用。
四番ロータリーだけ左手で操作できるようになっているモデルもあったが在庫切れだったため、全て右手で操作する一般的なモデルを購入。
音は非常にコンパクトでやかましくなく、落ち着いた芯のある音がする。但し、逆に軽やかに吹くのが難しいか?ロータリーのスプリングを調整すれば良くなるかな?
今は別のブランド名で時々見かける。基本的には同じ様な音がする。
オーケストラ・アンサンブル金沢に売却。今もって売ったことを後悔している(笑) 今思えば、一番気に入っていたピッコロだったなぁ・・・
 
●YAMAHA9930 (picc.)
シルキーそっくり、ロングベル。音もシルキーに似ているけど、C管同様、どうしても、あのシルキーの甘い音色がない。不思議なところだ。。。
シルキーがコルネットシャンクのマウスピースを使うのに対して、YAMAHAはトランペットシャンク(太い)。そこが良くない、と言う人もいるけれども・・・?
ソが、どうしても低い。僕のせいかな?(笑) 抵抗感は少なめに感じる。
今のところメイン。可もなく不可もなく・・・YAMAHAッぽいなぁ・・・
 
●Amati (picc.)
チェコ製。五万円で購入(笑)
イエローブラス・ラッカータイプだった。形はセルマーにソックリ。
三ヶ月後、二万円で売却・・・ちゃんちゃん。
 
●YAMAHA 739T (B flat)
初めて買った自分の楽器。現在は製造中止。
昔のプロモデル。シルキータイプで、形は今の6310Zに似ている。銀メッキ・ゴールドブラス・なんの為かバネ式の一番トリガーが着いていた。胴の太いタイプのbellでL valvebore。
思い入れも有るだろうけど、とても気に入っていた。使っていたマウスピースはデニスウィックの「1.」だったかな?
受験直前まで、この楽器で、受験の時だけ後輩のBachを借りて受けた。
抵抗感が少な目で、ライトウェイトタイプの割に甘い音がしていた。当時のラインナップの中では変わり種(?)だったように思う。
面白い楽器が少なくなったなぁ、と思うのは僕だけだろうか?
 
 
 
楽器番外編
 
銀メッキとラッカー
知ってました?Bachはラッカーの楽器にはスライドの外管部分には洋白(銀色してますよね?)が使われていますが、銀メッキの楽器は全て真鍮が使われています。
YAMAHAは前は800シリーズが同様の手法を取っていましたが、現在は違うようです。XENOシリーズも全て、ラッカーも銀メッキも外管部分に洋白が使われています。
シルキーは元々ラッカータイプが無いせいもあるでしょうけど、全ての管が真鍮製です。
一般的に洋白を多用した方が柔らかい音色になる、と言われていますので、その辺でバランスを取ろうとしているのかも知れません。
 
銀メッキの掛かり具合
僕、ね、コレ、いつも考えるんですよ。
材質や厚みも非常に大事ですけど、管の内側の「形」と「状態」が一番音色に与える影響が大きいんじゃないか、と?
例えば、Bachなんか、結構「適当」にメッキを掛けているように見えますし、管体内面全部に綺麗にメッキが掛かっていない楽器も見受けます。内面の研磨なんてしてないだろうし・・・
でも、良い音してるんだよなぁ。。。
対して、YAMAHAは全体に綺麗にメッキが掛かっているように見えますが、内面研磨までは至ってないようです。
で、シルキーは、少なくとも、マウスパイプの内面は研磨しているように見えるんですね。
勿論、経年変化で内面の状態が変ってくると思うんですが、ね・・・
一度、楽器の内面をツルッツルに磨いてみたいモノです。どうなるんだろう、って言う興味だけで、ね(笑)
 
焼き鈍し・脆性(ぜいせい)破壊
一般的に、楽器に使われている真鍮には、加工性をあげるために鉛が入ってます。そうしないと曲げ加工の時に「割れ」てしまうそうです。
各メーカーの鉛比率などを一般の僕が知る由もありませんが・・・
で、真鍮は振動など外的運動を加えた部分が固くなる(脆性破壊が進む)わけですが、炭素を含んでいないため、高音で熱して「焼き」を入れた後、急激に冷やすと、「柔らかく」なるそうです。
モネなどは、重量は重いのですが、非常に柔らかい真鍮が使われています。恐らく焼き鈍しを多くされていると思うのですが・・・
 
マウスピースの材質
コレも気になります。百花繚乱、とは言わないまでもベルに銀の無垢材を使った楽器などもありますし、色々あるのに、なんでマウスピースの材質は普通の真鍮(イエローブラス)だけなんだろう?って。
ゴールドブラスや、レッドブラス、銅、銀無垢、アルミ、鉄、色々あっても良いのになぁ、って考えます。
それこそ、小さい部品だし、加工も楽。強度もあまり考える必要はありません。
色んな材質のマウスピースが出たら、いの一番で買います(笑)
 
管体材質
TubaやHrで見かけますが、なんでトランペットは、管体全て(抜き差し管など)もゴールドブラスの楽器って無いんだろう?って思います。
トランペットはサイズが小さいから、強度の不安もないだろうし・・・
以外と保守的なんじゃないかなぁ?って思うんですね。まぁ、目立つ楽器ですし、オーケストラの中では「今までの伝統」の方が大事なんでしょうけど、でも、まだまだ若い楽器なんだから・・・今が正に進化の途中だ、と思いません?
そう言えば、総銀製(本体部分でさえ!)のStomviのピッコロってまだ作ってるのかなぁ・・・
 
管の巻き
これを考えると、本当に保守的なんだなぁ、って思いますよ>トランペット。
どのメーカーも、B,C管に限っては、本当に全部同じに見えちゃう(笑)
もっと大胆に違った「巻き」が有っても良いと思いません?大体、プロが使うような楽器でも、B,C管なら一本三十万円くらいの安い楽器なんですから・・・
思い切って抵抗を減らそうと巻きを真ん丸にしてみたり、ボアを大きくして巻きで抵抗を稼ごうとしたり、長くしてみたり。。。
それこそ、色んなバリエーションが作れるし、それぞれに音の特徴も違うと思うんですよ。
大体が、構造は単純な楽器なんですし。
 
リム
僕、ね、リムで苦労してるんです、本当(^^;
凄く厚くて柔らかいんですね。いつも「唇が余っている」感覚が付きまとうのです。
少なくとも、薄いリムは駄目。絶対にソロを吹いてらんないです。ばてちゃって音でなくなります。嘘だろうって?いや、本当・・・
で、思うのは・・・例えば、ね、もっと、マウスピースのラインナップを整理できないのか?って思うんですよ。
例えば、リムカウンター形状はこれ、厚みはこれ、カップ直径はこれ、深さはこれ、スローとはこれ、バックボアーはこれ、って言う具合に。
Bachなんかは、個人向けにカスタムで作っていたモノを、大体の大きさ順や深さで後から型番を付けたわけです。
なんか、他のメーカーも、それに習ってか習わないでか、なんか微妙にそれぞれが違いすぎる!
訳が分らん(笑) 断面図でも実寸で摂って詳細にとって載せンかい!(`へ´)
 
 
管体内部形状
昨今、バルブボタンの付け替えやバルブステムの付け替えが流行ってます。かく言う僕も、しょっちゅうやっているわけですが、全体から見たときの音色の差は極僅かだと思います。
勿論、一つでも部品を替えればサウンドやプレイヤビリティーは変化してきます。それは、経験の浅い方でも注意深く吹いていれば判ると思います・・・が!
例えば支柱の位置が3ミリ向こうが良い、とか、ウォーターキーストッパーのダブルナットを少し縮めて、とか、バルブボトムキャップが2グラム重い方が良い、とか言われると・・・なんだか妖しげに聞こえます(^^;
実験するといいですよ。例えば、聞いている人に目隠しをしてもらって、初めは普通に吹いて、次に「ベルを手で握って」吹いてみましょう。その差は、意外なほど小さなモノです。
管 体そのものが振動して音波として放射されている音と、管体内部から放射される音の比率がトランペットは圧倒的に内部からの放射が多いからなんですね。コレ は楽器からの距離が離れれば離れるほど特にトランペットはそのサウンドのスペクラム分布が指向性に敏感な3000khz近辺を多く含むため、指向性が効い てきて管体内部から放射された音で音色の差が認知される傾向が強くなります。
確かに変化するんだけど、全体から見た差、トータルとしてのサウンドを忘れちゃうと噂が先行し、全体像が見えてこないんじゃないかなぁ?
 
そ うそう、こんな事も言えるかも知れません。Trumpetは吹いていると時間が経つにつれて「鳴って」来ます。大体が明るい音がしてくる傾向が有ると思い ます。逆に言えば軽い音がすると言うか・・・。取りも直さず、それは楽器が振動することで、その振動の腹と節で脆性破壊が進んで固さが変化したり、金属の 状態が変化するのでしょう。 で、そこで何か一つパーツを替えると、楽器の持つ振動の節と腹の場所が変化したりするんですね。まぁ、それで若干「鳴りす ぎ」と感じた場所が変化して「良くなった」何て言うことは有るかも知れません。でも、暫く吹いている内にまた同じ様な音色に戻ったりもするわけで・・・
 
ただし、やはり、改造したり付け替えたりするのは楽しいし、楽器の発展と言う意味でも、どんどんやって欲しいんですね。その変化がプレイヤビリティーやサウンドに大きく関係しているのも事実です。僕も決して「ノーマル派」では無いですし。
ただ、その宣伝文句が何だか大仰に思えるわけです・・・そう、例えばオーディオのアクセサリーの様な・・・
色んな情報に惑わされず、他を否定せずに、楽しんで改造して、もっと活発に情報交換など出来るといいですよね(^^)
 
 
気密性
バルブ、スライドなど、トランペットには様々な「可動部分」があります。当然、普通に考えれば、その部分の気密性は高いに越したことはないでしょう。
しかし、一つ落とし穴があります。
マウスピースのリムから始まり、一番小さな内径はスロート、と言うことになります。そのスロートを過ぎれば、楽器管体内部で内径は広がる一方なのです。
内径が広いところから急激に狭くなる部分、つまりマウスピースのリムからスロートに掛けては内部の気圧は高まりますが、それ以降、特にマウスパイプに入ってから以降の内部の気圧は下がっているのではないでしょうか?
試しに、3rdスライドの気密性が良く動きの良い楽器を使い、3rdバルブを押したまま何か吹いてみてください。どうですか?3rdスライドは勢い良く伸びるでしょうか?
振動で伸びることはあっても、楽器の内部には3rdスライドを勢い良く伸ばすほどの圧力は掛かっていないことが分かります。
 
ただし、バルブの部分には、ホンの一瞬ですが、気圧の高まる瞬間があります。
バルブを上下させ、音を切り替えた瞬間です。それぞれの枝管と主管を切り替えるのですが、その切り替えの瞬間に一瞬ですが、気圧が高まります。
枝管のBoreによりますが、一般的に長いストロークを持つバルブは、その瞬間が長く、短い物は短いと思って良いでしょう。
長いストロークを持つ楽器はスラーの音の切れが良く、短い物は音の変わり目が若干曖昧に聞こえると思います。
その際に、バルブの「隙間」が大きければ、気圧がバルブと本体の間に逃げることになり、音に影響が出るでしょう。
それが、良いのか悪いのかは未だ試していません。
 
以上のことから、気密性が高ければ高いほど良い楽器である、と言うことは一概に言えないのではないか?と、そう思うわけです。
 
 
 
 
楽器の響き
コレも、良く判りません(^^;
ご存じのようにStomviと言うメーカーではベルの途中に多きなスクリュー(ネジ)が付いていて、素材や形状の違うベルを付け替えられるように出来ています。
とある人に僕が使っていたStomviを吹いてもらったところ、一言。
「いや、良い音してるんだけど、このスクリューのところで楽器の響きが止まっちゃってるよね。うん。駄目だね。」
その方の仰っしゃりたい事は良く判るんですが、そのスクリューのせいなんでしょうか?では、ホルンのベルカットタイプはどうなるんだろう?アレも『楽器の響き』が止まってるから駄目なのかな?
その方は、じゃぁ、スクリューが無くて支柱が付いているタイプならStomviを買ったのでしょうか?・・・多分買わないと思います。
その方は、確かにStomviのサウンドがお気に召さなかったのでしょう。それは判ります。でも、それをスクリュー『だけ』のせいなのでしょうか?楽器の響きなのでしょうか?それ以外のベル形状やバルブボア等の管体内部の形状は関係していないのでしょうか?
そのような発言が色々な現場で、まことしやかに流れないことを祈るばかりです・・・・・
それをマルママ信じ込んで購買に走ってしまう方もいらっしゃるんですし・・・
 
 
ヤマハ vs Bach
良く言われることです。「ヤマハってさ、ずっと使ってるとなんかなぁ・・・」って。「Bachはさ、助けてくれるし、ヤッパリイイね。」
「海外製品と比べるとヤマハってなぁ・・・」
ひねくれ者の僕は、そこでチョット思っちゃうんですね。確かにヤマハの楽器にはどこか「そっけなさ」や「つまらなさ」を感じる事は有ります。
簡単に「鳴り過ぎちゃう」傾向もママあるかと思いますが。
 
でも、そんなに「言われるほど」にヤマハが「悪い楽器」ですかねぇ?(^^;
どうしても、僕には、そうは思えない。